おはよう。今朝の一言です。

熊の子育ては二年半。母熊がそれは深い愛情で育てます。

もちろん本能故の事とはいえ、いつまでも見ていたい、そう思わせる母と子の戯れあいを、今年は毎日目にできました。

敵の敵は味方。大きな雄熊が出てこない私たちのテントサイトは、母子の絶好の遊び場になります。

じゃれ合い、おっかけっこをし、時には授乳シーンも、見せてくれました。

少し間が抜けた四才くらいの熊が近づくことがあります。

間合いにすれば10メートルほどでしょうか。すると、猛然と母熊はアタックを仕掛けます。

勝負は一瞬で、その熊が追い払われるのですが、すたこら退散する熊を子熊がどこまでも追いかけるシーンも目にしました。

時々、反撃を食らっては母熊の元に逃げ帰る姿に笑ってしまうのです。

それも、ベアカントリー・カトマイで生き残るプラクティス。

二年半と限られた時間の中で、一頭一頭違う資質を持った子熊たちの、群れの学びです。

勇敢すぎても、臆病すぎても、生存は難しい。賢く、中庸を見抜ける子熊のDNAが、繋がっていくことになります。

あと数時間でアンカレッジを後にします。

今年のアラスカ物語も終わり、思いはナパへ。

変わらぬ熊たちの姿のように雄々しいワインカントリーを、心に描いています。

では、今日も一日ガンガン学びましょう。