2023-2-8
今日の一言 2.8
おはよう。今朝の一言です。笹谷峠もこの一週間で、ずいぶんと春めいていました。春めく。この、めく、の意味はどこから来るのか。高校二年生の時に、随分と古文の先生と問答をしました。人めく、ざわめく、春めく。そのようになっていく様を表すのだと言われても、なんでそれが、めく、なのか。別に授業破壊を意図した訳ではないのですが、結局1時間その問答で授業は終わってしまいました。あの頃、そんな他愛のない問いかけに、全力で応えてくれる大人たちがたくさんいました。思えば先生は大正の生まれ。戦時中をフィリピンで戦い、帰還は終戦から2年後だった聞きました。時勢の中で、学び心も制約を受けた世代。少年の問に、本気で応えたい。その意志に、こちらの言葉も丁寧に、真摯にしなければと思ったものでした。先生はそれから五年後、不治の病で帰らぬ人となりました。その葬儀は教会で執り行われ、初めて先生がキリスト教徒と知ったのです。きっとその人生は、どれだけの物語に彩られ、苦難に満ちていたのだろう。そう思うと涙は止まりませんでした。人間一人の人生は、図書館一館分の物語に満ちている。そんな思いを、初めて持った機会でした。春めく。笹谷峠を越えながら、そんな事を思い出していました。めく、一つの言葉にも、限りない記憶が溢れ出てくる。それが歳を重ねるということなのだと、思います。未来戦略セミナー二日目は、月山を越えて庄内へ。奥田さんが待っていてくれます。楽しみに、楽しみに。では、今日も一日ガンガン学びましょう。
投稿者: syworks 日時: 2023-2-8 | パーマリンク