おはよう。今朝の一言です。

20代の頃は、日本全国に製菓製パン業の一番企業を打ち立てる、その一事に情熱を滾らせていました。

地域一番理論を、とことん追求し検証しながら、コンピューター付きブルドーザーと言われ、

猛烈なスピードで新たな業態を開発する毎日でした。

ほぼ、全県の地域一番企業をコンサルティングしていた頃、その理論を共にあーだこーだと、

喧喧諤諤語り合った経営者の一人が、石村萬盛堂、石村善俉社長でした。

当時の福岡県の地域一番は、年商80億円を超えるS社。その頃の石村は17億円。

よし！、三年で逆転しようと、徹底的な議論は、夜半過ぎまで続き、晩御飯は午前０時すぎ。

星を見上げながら、熱く、本当に熱く名残惜しく語る時間が、真の宝物だったと今、思います。

その目標を叶えたと確信した夜。酒に弱い善俉さんと中洲で意識不明になるまで盃を重ねたものでした。

東大経済学部時代、正に今評判をはくしている映画、三島由紀夫と全共闘の討論会の場にいて、

声を挙げた頃の話には、胸を踊らせたものです。情があり、熱もあり、何より理論家の、名経営者でした。

ホワイトデーを生み出した瞬間の話を、ワイワイ話した時の事。複合大型専門店の構造論を、

広角泡を飛ばし激論を交わした夜。思い起こせば、記憶は数限りありません。

71才を一期に、彼方へと飛び去った報せに、胸にポッカリ大きな穴が空いたようです。

知性と知性の闘いの醍醐味をお互いに楽しんだ、戦友。歳は違えど、尊敬しあいながら未来を創った日々。

私が年を重ねて、あの頃を語り合える日を楽しみにしていました。慚愧の念に耐えません。

ただ、ご冥福を祈るばかりです。祈りの時間を抱きしめながら、夜を過ごしています。